残雪期白山(一ノ瀬~御前峰)

 今までなぜか雪山はほぼ厳冬期しか行ったことがなく、残雪期の雪山ってどんな感じか?を確認するために、今シーズン何度か雪山を共にしたUさんと今シーズンの〆として白山へ向かった。
 一ノ瀬~(本来の登山口である)別当出合までの林道冬季閉鎖、「GW頃には解除されるだろう」という期待はあえなく外れ、この間の長く退屈な林道を歩く羽目に。CT通り歩いていては到底日帰りはできなかったが、2月の大山や最近の歩荷トレの実績からある程度巻けるだろうと判断し、かなり強気の計画で決行することにした。

●日程:2022年5月21日(土) 天気:くもり

●メンバー:U、竹嶋(L)

●記録
4:30 一ノ瀬出発
 一ノ瀬~別当出合間に雪はないと判断、アスファルトを冬靴で歩くのは疲れるだろうと考え、出だしはトレランシューズで歩くことに。この選択は正解であった。CT2時間のところを1時間20分で歩けた。

林道からの景色

5:50 別当出合

 別当出合を過ぎても雪はほぼなし。中飯場をやや過ぎたあたりで雪が出てきたので、ここで冬靴に履替え(アイゼンはまだ付けない)。ときどき立木の激しいブッシュをこなしながらも甚之助避難小屋まで。

8:40 甚之助避難小屋

小屋前のベンチからの景色

 この辺りで足元が滑りだしたのでアイゼン装着。これで一気にスピードアップ!と行きたかったが、ここ数日の睡眠不足(前夜はほぼ徹夜)がたたり強烈な眠気に襲われる。急斜面のトラバースでふらふら歩くのも怖かったので、雪が途切れたところで10分ほど仮眠。なんとか少し持ち直す。

甚之助避難小屋~黒ボコ岩の間、急斜面のトラバースが続く

 黒ボコ岩直前の急斜面直登がこの日の核心。でも念のため持ってきたロープは結局使わなかった。Uさんはしっかり歩いていた。自分もしっかりしないと!と気合を入れる。

10:10 黒ボコ岩

黒ボコ岩と別山

 黒ボコ岩を過ぎると弥陀ヶ原の雪原に入る。傾斜は緩いが長くてなんだか辛い。でも急がないと。


11:10 室堂

 計画より1時間40分遅れて到着。御前峰を目指すべきかここで撤退か、かなり微妙な時間帯。でも眠気は覚めて、下りはペースを上げれる自信があったし、最悪でも実質安全圏の別当出合までは日没までに下りれるだろうと判断、ロープなど余計な荷物はデポして軽身でササっと御前峰まで向かう。

11:50 御前峰
 残念ながらちょうどこのタイミングでガスってきて、さらに霙まで舞う始末。景色は生憎であったが、残雪の2702m登頂を祝し数枚だけ記念撮影した後速攻で下山開始。

12:40 室堂

弥陀ヶ原の広大な雪原

13:10 黒ボコ岩
 登りは結局ストックのみで来たが、下りの急斜面はピッケルに持ち変える。急ぎつつも安全第一。

14:10 甚之助避難小屋
 下山開始からほぼ2時間でここまで下りれた。このペースで下りれたら大丈夫だろうと少し安心。

16:10 別当出合

 なんとか日没までに安全圏まで下りれた。

17:30 一ノ瀬
 結局ヘッデン下山は回避できたが、行動時間は結局13時間にも及んだ。こんな長丁場は久しぶり。お疲れ山でした!
 この後ビジターセンターセンターのすぐ向いにある白山温泉(入湯料 \600)で汗を流して帰路へ。

土筆 別当出合にて

●所感(竹嶋)
 冒頭にもある通り、計画段階からCTよりかなり早く歩く前提での「予定行動時間12時間」という、雪山初心者としてはかなり強気な山行計画であったが、それでも着いてきてくれたUさんにまず感謝したい。結果的には計画より1時間多くかかってしまったがそれでもCTよりは早め。ヘッデンも出すことなく下山できたのは個人的には上出来だと考える。
 内容としても、急斜面のトラバースや直登など難しい局面もあったが、Uさんはふらつくことなく安定して歩くことができていたと思う。むしろ自分自身が睡眠不足で少々ふらついてしまった事は大いに反省が必要・・・。

 教訓 「登山の前日はよく寝る」

 頂上での眺望は生憎であったが、終始見えていた残雪を纏った別山の雄姿は素晴らしかった。
 今回の山行、当初はあと二人参加の予定であったが、どちらも諸事情により辞退となった。来年もご要望があればお付き合いしたいので、ご要望があればお気軽にお声がけ頂きたい。個人的には立山に行きたいが…(今度は泊りでゆっくりと!)

●所感(U)
 残雪期の春山は行ったことがなかったので、秋に行ったことのある白山の違う面も見てみたいと思い、竹嶋さんに相談して行くことが決まりました。その時はこんなに行動時間が長くなるとは思っていなくて、前日は本当に体力が持つか心配でドキドキしていました。
 数組先に出発していたこともあり、踏み跡があったのでルート迷いすることが無く行けたのでよかったです。
 室堂まではなんとか体力が持ちましたが、御前峰に行き始めたら、ちょっと心が折れそうになりました。ここが1番しんどかったです。
 この山行で自分の課題がよく分かりました。下山時の雪があまりない所での冬靴・アイゼン歩行。歩き慣れていないのがハッキリと出ました。あとやっぱり体力!竹嶋さんが重い荷物を持ってくれていたのでなんとかなりましたが、やはり自分で持てるようにならないと。
 連れて行ってもらうのではなく、パートナーとして行けるようになろうと思います。