南紀・白嵓クライミング

【メンバー】 H網、A山
【日時】 2023年12月28日(木)~29日(金)
暖かさを求めて三重県尾鷲近くにある白嵓の岩場へ。読み方は「シラクラ」だ。

現役時代の話。
会社の年末最終日、納会が始まってもお酒を呑まずに早々に退社し、いそいそと雪山に向かっていた。そして正月を山で迎えるのが普通の生活だった。
テレビの正月番組でNHKの紅白以外で面白いのをやっているのを知ったのは、ここ10年にも満たない。しかし、いまではそこまでのモチベーションはない。
年末天気がいいことは記憶にないし、そもそも寒さが我慢できなくなった。だから暖かさを求めて南紀に赴いた。
これが年齢と言うものだろう。

さて、愚痴はともかくこの白嵓。
なかなかに辛めのグレードと感じた。
個人的な目標は「道普請は慌てずに」10cだったが残念ながら落とすことができなかった。
自分の外岩10cMOS率は95%を超すと思っているが、このルートだけは登れない。ホールドが遠いのだ。
でも同じくらいの身長の女性が登っているので、単なる言い訳に過ぎない。。。まだまだ修行が足りないようだ。

岩場全景。8:30到着。駐車場に一番乗りした
これがアプローチ

上に見えるのが岩場。見た通り、アプローチは至近だ。コンクリートの階段を5mほど登り、あとは踏み跡をジグザグに登っていく。
かなりの急坂だが、距離が短いので、厚着していてもたいして汗をかかない。
そして出てきたところがメインエリア。


真ん中右に「道普請は慌てずに」10cの大きなコルネがある。

びっくりしたのはその左にある大きなハチの巣。キイロスズメバチだ。巣の上を数匹うごめいているのがわかる。
今回、諦めるしかないのか。。
しかたないので左上のエリアに行く。


まっ黒クロスケ10aを登るH網さん。無事RPした。

自分はこの右にある新ルート,ロックオブザリング10cをMOS。H網さんも無事FL。
そのあとは仙人掌(サボテン)10aを登った。私はRPしたが、こいつがなかなかの曲者で、実質10cはあった。でも登れてよかった。
そのあとメインエリアに戻った。


私は大女様10aを登るH網さん。無事RP

私は、ハチの巣を恐れて、離れたところにあるモアパワー11bに挑むが全く歯が立たず、自分の非力さを嘆くばかりか、1月10日のタイでのクライミングに暗雲が立ち込めた気がした。
ということで一日目は終了し、予約していた民泊に向かった。
民泊では五右衛門風呂という事前情報だったが、近くの阿曽温泉を紹介されたので行ってみた。


町民専用温泉。宿泊客だから利用できたのだろう。ここに200円で入ることができた。なかなかしっぽりした良い温泉だった。

そして民泊場所に戻る。何やら非常にごてごてした飾りがいっぱいあった。奥の座敷には鎧兜のレプリカもあった。
聞くと海外からも日本文化を学びにここに泊まるらしい。16軒くらいの民泊に分散するらしいので、それぞれに個性を前面に押し出しているのかもしれない。
台湾の高校生が泊まったことがわかるペナントがいくつもあった。
夕食は民泊から歩いて700mの居酒屋に行った。ここはかなりの田舎だし、小さい店なのだが、お客さんが全部で3組となかなか繁盛していた。しこたまビール呑んで就寝。

二日目。民泊で頼んでいた朝食をいただく。
これで500円なのでなかなかのお得感がある。
いつもならご飯を3杯くらい食べるのだが、今日も登らないといけないので我慢して1杯にした。
そして岩場に向かった。昨日と同じ8:30に駐車場に一番乗り。なんか二日酔いぽかったし、寒いので、しばらく車でうだうだしていたら、次から次に車が到着。
それに促されるようにして、岩場に向かった。昨日もそれなりの人出だったが、今日はあとからあとからどんどん人が来て、左上のエリアなどはロープがすだれ状態だった。
「暖かいところで登りたい。」 だいたいクライマーは同じことを考えるものだ。
そんななかH網さんは仙人掌にトライ。私は道普請のヌンチャクをかける。
昨日、蜂が気になっていたが、それを気にせず登っていた人もいて、蜂も攻撃してこないことを見ていた。だからこの時期の蜂はどうなんだろうとネットで調べたところ、基本越冬するのは女王バチだけで働きバチは越冬しない。まれに働きバチも越冬するが、攻撃はしてこないので別の生物になったと思うのが正解、とあったのでトライを始めたのだ。
しかしこれが全然登れない。ポイントはハングの乗り越しだけなのに。。。。結局二回トライして、他の人が登ったときにヌンチャク回収を依頼。全くのやる気なし夫だ。そして早めに帰路に着いた。
ああ、タイに行ったら登れるんだろうか。。。

【H網さん報告から】
はじめての白クラはこてんぱんでした。岩場はとても暖かく、顔見知りにもたくさん会えて楽しかったです。
滑る岩は恐怖で、5.8、5.7も登れず、どうなることかと思いましたが、なんとか少しはましになりました。
仙人掌はサボテンとよみます。TRで2回登り、なんとかいけるかなあと思いましたが、何せ落ちたら大けが確実でよういきませんでした。10aですが、10cはあるとおもいます。余裕持って登れないとやばいルートです。
おそらく、10a総なめした後はうまくならないと登るところがない!岩場です。
77歳のベテランさんたちにも出合い、『まだまだ若いわ!これからよ!たのしみなさい。」と言っていただきました。
お宿は「井戸ばた」という、外国人向けに日本文化をおばちゃんが教えたろ、みたいな感じで、おばちゃんの作った手芸用品とマンガと鎧や着物が所狭しと並べられた面白い空間でした。釣りの人もよく来られるそうです。
夜は近くのいい感じの居酒屋でのみ過ぎました。
200円の町営温泉も最高で、宿の朝ご飯もおいしかったです。
帰りの木つつき館(道の駅)の伊勢うどんは絶品でした。美味しいお酒も買って帰りました。