2020年 炎の小豆島合宿(11月21日~23日)

拇岳から瀬戸内海・淡路島方面を望む

はじめに

瀬戸内海に浮かぶ小豆島。

その昔、大阪城築城の時に加藤清正らによって石垣に使う石が切り出されて運ばれたくらい、小豆島は岩が多い。いや「岩だらけ」と言ってよい。そこら中に露岩がある。しかも岩はクライミングのための岩と思いたくなるような花崗岩だ。小川山の紙やすりのようなそれに比べて、小豆島のそれは目が粗い。おそらく海風によって風化されたからだろう。そこに吉田の岩場というクライミング天国がある。

 今回夏頃から声をかけ始め、11月3連休というハイシーズンであることを見込んで、6月にはキャンプ場を予約し、8月から参加メンバーの募集を開始した。気が付くと15名という大所帯に。幸いぽっぽ会にはキャンプ道具を持っている人も多いので、一大キャンプサイトを設営することができた。そこで飛び切り楽しい時間を過ごすことができたのは言うまでもない。参加者のみなさん、本当にありがとうございます。

 今回参加できなかった皆さんも、次回行けるように練習を重ねて、「遠征で本気トライ」ができるよう、切磋琢磨いたしましょう。

平山ユージさんに会いました!

平山ユージさんに会いました!

  なお、CSテレ朝の撮影平山ユージさんが来島されていて、写真を一緒に撮ってもらいました。

中にはお風呂でユージさんと隣合わせになった人もいます。さて誰でしょう。

 

以下報告です。

【 D A Y 1 】 11月21日

吉田の岩場パーティ (H川報告)

2年振りに小豆島・吉田の岩場に来ました。

早朝にフェリーを降りキャンプ場に向かう車中からは前回と同じく青い空と澄んだ海が目に飛び込んでくる‥気持ちの良いスタートです。30分程でキャンプ場に到着。テントやタープの設営を済ませ、早々に岩場に向かいます。

ここの岩場はアプローチが近く歩いて5分程度で下部に到着、急な斜面を登ると、大きくはないがいろいろな岩場が現れる。連休で多くのクライマーが訪れるこの岩場、どの岩も何人かのクライマーが取り付いています。我々も空いているルートを探し、取り付いたのは「夕暮れロック」というエリア。ウォーミングアップに簡単なルートを選択して取り付く。感触を掴みながら登り切ると眼下には瀬戸内の青い海に小さな島が浮かんで見える

ここから見る景色は本当に癒されるな~

岩場をウロウロしながら数本登ったらもう指がヒリヒリしてきた
花崗岩独特の粗い結晶が普段から外岩に慣れてない繊細な指先に食い込んでくる。
初日という事もあり程々にして下山し、拇岳へ登りに行ったチームの帰りを待ちながら夕食の準備に取り掛かることに
ここのキャンプ場にはお風呂もあり、車も横付け出来てとても便利です。日も暮れて風呂上がりのビールを楽しみながらワイワイしているとようやく最終組が帰ってきました。
何でも途中のパーティがとても遅かったらしく、疲れた様子でしたが達成感を感じる笑顔が見ることができました! さあ全員そろっての楽しいBBQの始まり~
手の込んだメニューを用意していただいたamiさんのおかげでお酒が進む~~
やっぱり遠征クライミングは楽しいや~~
たっぷり飲んで食べて二日目に向けて英気を養うのでした。

平山ユージさんに会いました!!

平山ユージさんに会いました!!

拇岳/赤いクラック K門U野パーティ (U野報告)

2年振りの小豆島は、初めての拇岳。赤いクラックルートのマルチピッチの挑戦から始まりました。アブミを使うかA0するか、フリーで挑戦してみるか!?という難しいルートと聞いていて緊張していました。
フェリーを下船し、吉田のキャンプ場に行く途中、拇岳がそびえ立つのが見ることができます。カッコイイ!
私はK門さんとペアを組み、いつもの男気ジャンケンでK門さんのリード先行が決定。2人で「どっちが良かったのか分からないね」と笑い合いました。

 9:20 アプローチ開始
9:40 取り付き到着
11:00 1 登攀開始
11:30 2班 私達も登攀開始(6ピッチ)
15:20 4ピッチ目開始
15:45 5ピッチ目開始
17:00 登頂
17:40 下山

当初は5ピッチで行く予定でしたが、前のパーティが渋滞していて、ピッチも切っていたこともあり全6ピッチになりました。
人気のルートとは聞いていましたが、取り付き開始まで約2時間、途中でもだいぶ待機をしていたので気持ちが焦りました。
アブミを使った所は2ピッチ目の始まりと5ピッチ目の始まり。
あとA0も織り交ぜて。
4ピッチ目の最後の乗越し核心は空身でないと越せなかったので、中間支点に荷物を一旦ぶら下げて上がり、荷物を上から回収しました。
アブミを本番で使ったのは初めてで、なるほど助かる!と実感したものの、やっぱり自力で登りたいと思いました。
パートナーのK門さんと「また来よう!」と約束しました。

赤いクラック最終ピッチの頂上

赤いクラック最終ピッチの頂上

拇岳/赤いクラック M矢A山パーティ (A山報告)

私たちに後続するK門U野パーティは別名「妙齢パーティ」
それに対して私たちは「親子パーティ」だ。
しかし気持ちは若いもんには負けへん!、クライミングは気合いだ!

キャンプ場で装備の最終チェックを行い、取り付きに車を走らせる。装備については既にLINEで取り決め済み。フリーで挑むなら60mシングルロープ、ザックは一つ。天気を観て雨具はカット。食料、水は持たない(取り付きに置いていく)と切り詰める。
もちろんアルプスの岩場ではとんでもないが、ここは小豆島だ。ルートの長さも無い。私自身の水は不要としたので、セカンドに担いでもらう荷物は下降用の靴と、薄いダウンだけ。
ここでU野さんから突込み。「M矢さんの水は飲まないでね。迷惑だから。」とほほ。

赤いクラック取りつき

赤いクラック取りつき

やはり親子でも水筒の共有はダメか・・・、残念。(ウソです)

 ※ちなみに後で、調べたところ、拇岳の岩質は角閃石安山岩。花崗岩とは違う。岩の中に黒いポツポツがあるのが角閃石らしい。それが混じっている安山岩だ。

先行パーティは2人
×2組で登るらしい。全部で4人だ。その人たちがクライミング開始前に「がんばるぞー、がんばるぞー」と声を合わせるナゾの儀式をしていた。そのわりにというか、そのせいかなのかトップが遅すぎる。とにかく遅い。日頃フリーの練習をしていない人の登りだ。一抹の不安が頭をよぎる。

1P目 A山 25m

 最後の人が1P目を登りきるのを下から見ていた。その時点で4人固まっていた。その状態で私がそこに到着してもセルフがとれない。4人のうち一人が登りだし、ビレイ解除の声をかけるまで待った。そうなると私がテラスにつくときは計算上、1人のはずだからだ。声がかけられたのを確認したので、登り始める。2時間待ちだった。

まあまあグレードどおり。ナイン(5.9)だ。

 テラスに近づくと「? ? ? ?」。先行パーティが3人いる。おかしい。計算と違う。見ると・・・1P目トップだった人がセカンドで最初の垂壁を越えられないのだ。

遅い、遅すぎる。我慢たまらず「無理だったら降りてください。」と声をかけた。

こういうとき下で「チッ」と舌打ちしたり、「遅っ」と独りぐちる人がいるが、それは卑怯だと考えている。そもそもそのような登り方では危険だし、この先にはもっと難しいところがあるはずだ。そこで墜落したら目も当てられない。事故を未然に防ぐためにも、はっきり言ってあげたほうがその人のためだと信じている。

 それでもセカンドは私の言葉を無視。アブミを出して登りきる。このパーティには、他にもいろいろ問題点(信じられないミスもあり)があったのだが、このあと先行を譲ってもらったので、これ以上は言及しない。
 しかし、次に続くK門・Uパーティの終了が大幅に遅れたのは事実だ。

2P目 30m A山

垂壁はナインくらいだ。ホールドは簡単に見つかる。

 難しいのは、その後左にトラバースし、トラバース終わったところの上にあるV字状の溝の部分。どまんなかにグージョンボルトがあるので、思い切って行けるが、足が細かくて5.10bくらい。その後右上のしっかりしたビレイポイントまで。ルートが屈曲しているのでロープが重い。

赤いクラック3P目

赤いクラック3P目

3P目 10m M矢

左上に先行パーティが見える。テラスも広そうだ。10mくらいだがM矢さんにリードしてもらう。到着したM矢さんに支点が大丈夫か声をかける。「貧弱です」、「ああ残念」、「道を譲っていただけるそうです」、「!!」。助かった。この先はうす被りの左上でカンテを回り込む核心だ。ここで待たされたらテンポが狂う。「本当にありがとうございます」と感謝しながら通りすぎる。しかし・・・視線は冷たい。

4P目 35m A山

M矢さんの使っている支点を確認。良くない。さっきの終了点のほうがよかったか?、でも戻れないのでこのままリードする。

最初はうす被りの段々のある壁。ピンはリボルトされていないので落ちるのは禁物だ。それに譲ってもらったパーティの視線を背中に感じるのでヘマはできない。より一層気合が入る。カンテへの抜け口のホールドがちょっと遠く悪かったが、カンテ上のリッジへ。グレードは5.10bくらい。

 そこにはビレイ点らしきものがあった。しかし貧弱。ハーケン数本だ。手持ちのハンマーで叩く。効いているようだがここを支点にはできない。その上の膨らんだフェースで落ちて途中のリングボルトが抜けたら、ビレイヤともども墜落する可能性がある。下でビレイしてくれていれば、少なくともビレイヤは大丈夫だ。

 それにしても核心部がリングボルト二本というオールドなルートだ。

以前リングボルトにアブミをかけたら突然、虚空に放り出されたことが頭をよぎる。三ツ峠の三段ハングの抜け口。ぶら下がった足元には60mなにもなかった。心が消極的になると、どうしてもネガティブ思考になる。だから変な記憶がよみがえる。

それを気合で押しのけてフェースに挑む。でも、一回はビビリが入り、クライミングダウン。心と身体をリフレッシュしてやり直した。ボルト二本目まで来ると傾斜が緩くなる。トポには5.10d~5.11aとあったが、それほどではなかった。

その後もランナウトしつつビレイ点を探した。なんとかあったがそこにはハーケン、手作りボルトと散々だった。手の届く範囲のハーケン、ボルトを5つくらいつなげてバックアップとして、これで支点崩壊したら天命と思い、M矢さんをビレイする。

5P目 25m M矢

M矢さんに有終の美を飾ってもらう。
少々迷っていたが着実かつ丁寧にクライミングしている。立派だ。

拇岩頂上で終了。14:30頃。
核心の部分はM矢さんの体感から5.10cで決定。

赤いクラック最終ピッチの頂上でのビレイ

赤いクラック最終ピッチの頂上でのビレイ

その後、妙齢パーティが終了するまで2時間半待ち・・・
降りていくときに暗くなりはじめ、取りつきに戻ったときには真っ暗だった。
誰のせいとは言いたくないが、アルパインクライミングのためにはフリークライミングの能力をあげ、スピードをつけないといけないこと、そのスピードが無いことは他のパーティも危険に陥れること、いままで何回も言ってきたことだ。それを再認識した一日だった。

【 D A Y 2 】 11月22日

吉田の岩場 (K門報告)

2年ぶりの小豆島 吉田の岩場でした。前回はぽっぽ会に入会して2ヶ月ほどだったので全くと言ってもいいくらい登れなかった。今回は・・・

■海鳴ロック
夕波小波(5.9
マスターでトライするも1ピン目が遠く恐怖を感じプリクリップしてから仕切り直し、なんとかRP

■夕暮れロック
スペースマン(5.11a
ラストシーンのつもりでトライしたがスペースマンだった。
どうりで歯が立たない。
S水さんに教えてもらい、やっと気づく。

ラストシーン(5.10c
正真正銘のラストシーンに挑むが3P目のところでテンション、
どうしてもクリアできず、ヌンチャクアブミでトップアウト

夕暮れロック ラストシーン10b

夕暮れロック ラストシーン10b

3の男(5.10c
ここは2年前トープロープでトライしたものの、指は痛いわ、手はパンプ、足は岩でこすれて流血などクライミングの厳しさを思い知らされた因縁のルートだったが・・・今回もダメでした。3日目にも挑戦すると誓い2日目は終了。
キャンプでは豪勢な料理や焚火とても美味しく楽しかったです。
遅れて温泉に行くと、なんと隣に平山ユージさんが座りビックリしました。

夕暮れロック 第三の男5.10cを登る

夕暮れロック 第三の男

【 D A Y 3 】    11月23日

吉田の岩場 (Y村報告)

メンバー K門U野M矢Y村

二日目に登った夕暮れロックでRPできなかったルートがあり、今度こそRPするぞ!とやる気満々で向かいましたが、すでに数人待ち。午前中に下山しなければいけなかっため、諦めて他の場所へ移動しました。

トップロックを登る

トップロックを登る

 ぐるぐる彷徨っていると、トップロックでチームamiが登っていたので合流させてもらいました。ここは全面スラブで、きちんと足で登らなければ登れません。他のメンバーはスルスルと簡単に登っていました。一方スラブが苦手な私は、まったく登れず・・・。
苦い想い出となりました。

 吉田の岩場は初めてでした。ランナウト覚悟で登らなければいけないルートが多数あり、すごく緊張しましたけど、この緊張感の中でクライミングができたことは大きな経験になったと思います。また来年訪れたときに成長を感じられるよう、日々精進します。

【特別寄稿】 amiさん

令和21121-23日、いつもお世話になっている『大阪ぽっぽ会』の方々にお誘いいただき、小豆島合宿に参加させていただくことになりました。今回は、一人ではなく、アルパインチームを組んできた4人組(チームami)での参加です。昨年の同じ頃に別のパーティで、全リードで拇岳赤いクラックを目指しましたが、中途でのルート変更指令で無念の右ルート逃げを余儀なくされたうっぷんを晴らしたくフリーの練習に勤しんできました。

さて、A山監督に下船後すぐに取り付きに向かうOKをいただき、一番乗り目指してGO!。フェリーの中では多くの山岳会や知り合いと出会い、お互い何時(いつ)を狙うか探り合い()。情報戦はもう始まっている!今回の拇岳には40人近くが殺到することがわかり戦々恐々です。なにせ渋滞に巻き込まれたらえらいことになりますから。

S川さんに教えてもらった通りに駐車して迷うことなく取付きに到着すると、Pさん(奇数ピッチ)-amiS水(奇数ピッチ)-I垣ペアに分かれて840分登攀開始。開始ほどなく次のチームがやってきますが、3ピッチまでは前も登ったことがあるので迷いなくぐいぐい登り、後続チームは全くついてきません。そのうちどうやら取付きにA山さんM矢さんK門さんU野さんのぽっぽチームも到着した模様。あ~、間が離せてよかった~。

いよいよ核心の4ピッチ目。難しい難しいと聞いていたのでドキドキします。実際にはそれほどでもなかったかもしれませんが、早く確実に行くこと目標にA0も。しかし途中よりも、次のビレイアンカーのもろさにびびりました。本当はもっといいビレイ点があるのではないかとダイレクトルートのほうへ進みますが、やっぱりこれしかないと戻ります。5ピッチ目の直上のほうが4ピッチ目より難しかったです。これはA0なしには行けません。ちなみに、支点が悪くなってルートを間違える人が多いので、リボルト職人のN氏が付け替えてくださる予定もあるとか。有難いことです。

瀬戸内の海と山の眺めは最高。6ピッチ目は亀の甲羅の上を歩くような楽しいピッチ。山頂には11時きっかりに到着しました。残りのメンバーが上がってくるのを待ちながら潮風に身をゆだねてコーヒータイム。12時全員登頂。下山後ダイレクトルートを見学したり、ほかの山岳会の方と話したりゆっくりしてから駐車場へ。

間に1チームが入ったことで、ぽっぽチームの下山は相当遅いものになってしまいました。先に行かせていただいて申し訳ありませんでした。小豆島のおいしい魚屋さん『魚伝』さんでBBQ用の魚介を仕入れたのがせめてもの罪滅ぼしになったでしょうか?。(ここの親父さんは10分話をさせていただくと2倍お土産をつけてくれます(*^^*)) 事前買い出しを担当してくださったU野さん、洗い物やお料理を手際よくこなしてくださったぽっぽガールズ、テントやタープ・機材のご準備をしてくださったA山さんH川さんU野さんご一家、楽しく快適なキャンプを本当にありがとうございました。

2日目は、夕暮れロック、海鳴りロック、ミサゴロック、3日目はトップロックと魅力的な岩場巡り。ぽっぽの皆様の再登記録の数々に圧倒されつつ、大いに刺激を受けました。

次はもっと力を付けてダイレクトを狙いに来たいです。

次回もまたぜひご一緒に!!

集合写真

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