淡路島 福良の岩場
「正面スラブ」ルート/2018年11月4日(日)

メンバー:Y会長・北山 (ぽっぽ会パーティ)「正面スラブ」ルート 
               東川・崎向 (兵庫パーティ)「左岸」ルート   
報告作成:北山

計画まで

ひと月ほど前だったか、ネット上でクライミングネタをチェックしていると淡路島でマルチピッチの岩場を登った記録を見つけた。

淡路島にクライミングの対象になるような壁は無いものと勝手に思っていたが、今年初めに開拓されたらしい。

ロック&スノー誌/80号にすでに開拓メンバーによって発表されていたようだが、最近購読してなかったので全く知らなかった。

個人的に、あまり誰も行かなさそうなマイナー壁になぜか興味をそそられるところがあって、もちろんこの淡路島の壁もとっても気になる。

しかし「わざわざ淡路島の南端まで、3~4ピッチ程度のボロ壁登りに誰も行かんやろなぁ」などと思っていた。

がしかし、このネタを週末のゲレンデクライミングでY会長に話すと、淡路島に比較的近いところに住んでいるせいもあってか興味を示してくれる。

その後Y会長のクライミング仲間にも伝わり、トントン拍子で計画が進み、早速登りに行くことに決まってしまった。

いい意味で、予想外の展開となった。

集合〜現地

集合場所のJR明石駅

集合場所のJR明石駅

朝8時半にJR明石駅で待ち合わせをしてY会長号で出発。

途中、食料を買ったりしながら10時前に海岸近くの駐車スペースに到着。

駐車スペース

駐車スペース

駐車スペース付近のボルダー?を試す

駐車スペース付近のボルダー?を試す

アプローチ

 準備をしてトポの説明通りに車止めのある坂道を5~6分ほど登ると赤レンガの古い廃墟を見つけた。

そこから少し引き返して上方に石垣の見える踏み跡を登る。

その後も明瞭な踏み跡を辿るとすぐに海が見え、直径20mm以上はあろうかと思われる極太の白いフィックスロープがキンキンにテンションが掛かった状態で張ってある下降地点に達する。

下降路が悪いということは書いてあったが、この夏の台風21号でさらに崩壊したのか?、予想以上に酷い。

木々はなぎ倒され地面はえぐられ、その上ガレガレ〜ザレザレの急斜面で、あまり歩いて降りたくなかったので懸垂下降とした。

50mロープギリギリで海岸まで降りることができた。

赤レンガの廃墟

赤レンガの廃墟

懸垂下降ポイント

懸垂下降ポイント

海岸まで下降

海岸まで下降

ガレガレ&ザレザレの下降路

ガレガレ&ザレザレの下降路

 そこにあったのは一枚のスラブ壁。

まるで巨大な滑り台のようだ。

海岸沿いの素晴らしいロケーションにある巨大なスラブ壁に2本のマルチピッチルートが設定されている。

ルートを確認して我々ぽっぽ会パーティは「正面スラブ」ルート、兵庫パーティーは「左岸」ルートをそれぞれ登ることになった。

その時点では、それぞれのルートをサクッと登り、下降後2パーティでルートチェンジして登るつもりだった。

しかしながら景色も天気も良くのんびりムードなのもあって、結局とりついたのが12時前。

日の短いこの季節、結果的に各パーティ1本だけになってしまった。

岩場全景

岩場全景

岩場脇の壁。シングルルートを何本か設定できそうだ。

シングルルートを何本か設定できそう

「正面スラブ」ルート クライミング

 

我々「正面スラブ」パーティは、とりあえず1ピッチ目を北山がリードでスタート。

「正面スラブ」ルートの偵察中

「正面スラブ」ルートの偵察中

大穴の辺りからスタートした。

大穴の辺りからスタートした

1ピッチ目

大きく穴の空いた左側付近からスタートした。

スタートから数メートルはクラックというか溝状になっている。

できるだけそこを登ってクラックがなくなる最後の方にキャメロット#1をかまし、その後少し右上に見える立木に向かって慎重に登る。

このピッチにはボルトは無い。

かといって出だし以外はクラックも無い。

手でつかんだホールドがボロボロ剥がれる。

手はまだマシだが足を乗せているホールドが崩れると中間支点がほとんど取れていないので大墜落になりかねない。

少しでも崩れなさそうなホールドを選び、騙し騙し少し右上すると穴が見つかり、エイリアン(何番だったか忘れた)がかませた。

その後も立木まで慎重に登り、立木をつかんだ瞬間にホッとする。

砂漠の中のオアシス?のよう。

しかしオアシスの周りは小石や砂が微妙にのっかてるだけで少しでも動くとバラバラと落ちていく。

動けない。立木でビレイ。

「正面スラブ」ルート出だしのクラック

「正面スラブ」ルート出だしのクラック

触ると剥がれるコーンフレークorかさぶた

触ると剥がれるコーンフレーク?かさぶた?

2ピッチ目

ツルベなので2ピッチ目はY会長がリード。

立木から少し左に出て直上し、次の立木を目指す。

この時点で少し左に出たところにビレイポイントと思われるボルトが2本並んで打ってあるのを見つけたが、1ピッチ目登攀時はひたすら立木を目指して必死だったので全く見えてなかった。

このボルト2本でビレイした方が体勢的にも立てる小レッジもあったので楽だったと思われた。

2ピッチ目は一応核心ピッチとなっているが、妙な難易度なのでグレードなんてよくわからない。

ただひたすら慎重に登るのみ。

持ちやすく、足を乗せやすいカチホールドほど崩れやすい。

リードのY会長が先ほど見えたボルト2本と、途中1箇所だけカムをかませて次の立木でピッチを切るが、ここも1ピッチ目のオアシス?同様、足元は急斜面に崩れそうな小石と砂利だらけでほぼ動けない。

2ピッチ目をリードするY会長

2ピッチ目をリードするY会長

3ピッチ目

北山リード。

少し左上にボルトが見えたのでそれに誘われるように登る。

さらにボロボロ度!?がアップしたような。

1ピン目をボルトで取り、見上げても明確な終了点はなさそうなのでそのまま直上し、上部の立木を目指すことにした。

ボルトは1箇所だけ、ここでもカムもナッツもかませない気持ちの悪いクライミングを強いられ、1ピッチ目同様に立木をつかんでホッ。

しかしここも小石と砂利と、さらにトゲのある植物が多く、立木にビレイポイントを設定するのにトゲが刺さりまくった。

フォロワーのY会長が登ってきてセルフをとる。

落ち着いて見渡すと、右方にボルトが2か所見えた。

そう、設定されているルートは3ピッチ目の出だしから少し左上にあるボルト経由で今度は少し右寄りに行き、ボルト2か所を通過してもう少し上の立木で終了するようだった。

かといってもう仕方ないのでここで終了とし、ここから懸垂で下降することにした。

3ピッチ目をフォローするY会長

3ピッチ目をフォローするY会長

懸垂下降はこの立木から1ピッチ目の立木横のボルト2本の所までと、そこから海岸までの2回で降りることができた。

撤収〜帰りのアプローチ

さて、「左岸」ルートに取り付いた兵庫パーティーとルートチェンジしたいところだが、ルートが少し長い上にさらに奥まで登リ過ぎたりしていて、小一時間待ってようやく降りてきた。

「左岸」ルートを登る兵庫パーティ

「左岸」ルートを登る兵庫パーティ

しかし、今からルートチェンジして登るのには少々時間的に厳しく、今日は各パーティ1本ということで、心残りではあったが撤収とした。

もっと朝早くに集合にするべきだったと後悔。

終了後、元来たガレガレ&ザレザレの急斜面を登り返すのは気が重かったが、そんな時にY会長から「駐車したとこまで、海岸沿いをトラーバースして帰れるかも!?」との提案。

進退窮まるような難所があれば全部引き返す覚悟で行ってみるかということに。

沢登りで言う「へつり」のような感じのトラバースを200mほどと、あとは岩場混じりの荒れた海岸を200mほどで、なんとか駐車スペースに戻れることができた。

海に落ちそうで落ちない!?岩場を延々トラバースするなんてこと、なかなか無い体験でこれがかなり楽しかった。

しかし後で調べてみると我々の通過した時間は ほぼ満潮に近い時間であったので、干潮時であればもっと楽に通過できたとのではないかと思われる(=スリル半減で楽しくないいかも?)。

ここをアプローチにしたい方は、事前に潮見表などをチェックされるのも良いかもしれません。

「潮見表 福良」などで検索されると何サイトかヒットします。

こんな感じの岩場をトラバースして戻ることができた。

こんな感じの岩場をトラバースして戻ることができた

メンバーの感想

Y会長 
4人で淡路島 福良の岩場に行ってきました。

駐車スペースから岩場の海辺まで大規模な崩壊でガレ場の懸垂下降で正面スラブルートに取り付く。

たまにボルトは設置してあるが、核心ピッチでもグレードも低いこともあり6m ほどの間隔、NP でプロテクションを取るところもないのでボルトが設置してある。

ホールド、スタンス共にバラバラ崩れていく・・・決して落ちれない。

そう考えると最後のカラビナがずっと足元に見え・・・更に恐ろしい。

しかし登ってしまえば気分一新・・・気持ちいい景色と秋風・・・

駐車スペースまでの冒険トラバースも楽しかった・・・

初秋であり日没も早く2本登れなかったけど満足な1日でした。


東川
左壁は正面スラブよりも狭いが、ワイルドさでは引けを取らない。

名物のカサブタホールドは、押さえるように扱う。

フットホールドは顕著なホールドは欠く可能性があるので、ノッペリとした膨らみにつま先を乗せるのが良い。

私たちは登りすぎて最後のブッシュを突破したが、危険を侵したくないなら、ボルト2本のテラスで終了した方が良い。

それでも充分にカサブタとランナウトを堪能できる。

フォールしないコントロールしたクライミングができる人は適度な緊張感で楽しめると思う。

左壁はルートが左上しているので、大きな落石はビレイヤーに降らないと思うのだけれど、リードした私には何とも言えない。

なお、アプローチの下降路は大崩壊のため、自分たちで降りやすいところを探すか、駐車スペースから海岸をトラバースする方が良い。

クライミングシューズを一部履いたり、慎重に行けば海ポチャはないでしょう。


崎向
スマホで見た福良の岩場。

大岩壁で凄い。ルート図には3P、NP、ボルトあり。

気になるのは落石が多い事。

行ってみて、まぁ取り付くのに大変。

岩場はミルフィーユ状態で緊張の連続。

上から横から、落石の雨。

帰りは海岸沿いを経つる。

これがまた、大変。落ちるかと・・・恐怖の連続。

疲れた1日でした。

でも、楽しかっです。

次回もまたお誘い下さい。

有難う御座いました。

今回の素晴らしい精鋭!?メンバー

今回の素晴らしい精鋭!?メンバー

資料地図

Googleの衛星写真から全行程図

Googleの衛星写真から全行程図


駐車スペースの位置

まとめ

「福良の岩場」は、 表面が脆い岩質な上にボルトも最小限(ボロボロでボルト打つところが無い?)、プロテクションを取るクラックも少ない。

どこを持ってもホールドはバラバラと崩れ、足を乗せているホールドもいつ崩壊するのか。

少しでも崩れなさそうなホールドを選び、ただひたすら「そ〜〜っと」登るのみ。

それでも登攀時も下降時も落石シャワーがたびたび発生した。

岩さえしっかりしていればクライミンググレード的には大したことはなく、比較的簡単なクライミングであろうと思われる。

しかし、心理的なグレードがそこそこ高かったのと美しいロケーションもあって、わずか3ピッチの壁だったがしっかりと達成感も味わえた。

ジムの頑丈なホールドや、岩場の人気スポートルートの比較的安定したホールドばかりで登ってるクライマーにも、ぜひ一度味わってほしいと思ったり(・・・って、誰も登らんわな)。

最後に、帰りのアプローチのトラバースが妙に楽しめたり!?して、結果的には楽しいクライミング山行になった。

もう1ルート、兵庫パーティーが登った「左岸」ルートを残してしまったのでまた行かねば!と思っているが(ボロ壁マニアになりそう?)、こんな情報を見たら誰も一緒に行ってくれないような気も・・・。


追記
南面で日差しを遮るものが何もないようなロケーションなので、この11月でも結構暑かった。

ネット上で見つけた記録は真夏のものだったが、夏に登ることは考えにくい(若者限定?)。

逆に日差しがあって風がなければ真冬でも快適に登れるのではないかと思われる。

また、登攀時も下降時も細かい落石シャワーが発生してしまいがちなので、1ルートに取り付けるのは1パーティのみと思われる。

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