大台ケ原 ブッシュマン
そろそろ夏の本チャンに向けたアルパインのトレーニングを、ということで、梅雨入り前のブッシュマンへ。うみっちは今回が3回目のブッシュマンらしいが、タケシマは初めて。いまだに外岩が苦手なタケシマにとって核心ピッチグレード5.10cはなんとも微妙なグレードであったが、うみっちの「核心のハングはタケシマさんの得意系やから大丈夫!」という根拠不明(?)の励ましを信じて挑戦した。
●メンバー:うみっち(リーダー)、タケシマ
●装備:登山装備一式、
登攀装備:アタックザック、ヘルメット、クライミングシューズ、シングルロープ(60m)、アルパインヌンチャク x6、フリーヌンチャクx4、アンカーテープ、無線、その他基本装備
●5月28日(日) くもり時々晴れ
4:40 駐車場出発
後から考えるとタケシマはこの時期の大台ケ原は初めてだった。春の大台ケ原の朝を完全に舐めていた。防寒着を持ってこなかったので半袖Tシャツの上にレインジャケットのみ。寒くてガタガタ震えながらの出発となった。

5:30 大蛇嵓付近の一般道からアプローチ



5:55 取り付き到着
アプローチ中に程よく体は温まった。先行パーティも後続もなし、この時点では我々の貸し切り。落ち着いて準備を整え登攀開始。
ツルベ登攀だが、今回がオンサイトトライとなるタケシマに核心ピッチを含む奇数ピッチのリードを譲ってもらった。

▶1ピッチ目(5.9)タケシマリード
前日の雨で出だしからびしょ濡れ。乾いていたらどこでもスメアが効くのだろうが、濡れているのでスタンスを選んで慎重に足を置いていく。ちょっと緊張。



▶2ピッチ目(5.9)うみっちリード

まだ濡れている。ブッシュの所ではシューズが泥だらけになる。しかし終了点に着いたうみっちから「ここは乾いてる!」との朗報が。


▶3ピッチ目(5.9)タケシマリード
確かに乾いていた。凹角のバランシーなトラバースを数回。もしここが濡れていたらちょっと厳しいピッチになっていたかも。乾いていてよかった。

▶4ピッチ目(5.9)うみっちリード
ここに来てまた濡れている。



▶5ピッチ目(5.10c)タケシマリード
乗越したいところの後1手のムーブを探っている内に腕がパンプしてくる。やばいかも!?と思ったところでなんとかクリア。
ところがその次のスラブがまた悪かった。微妙に湿った岩のフリクションを信じて足を置き、「滑らない、滑らない!」と念じながらなんとか突破。
背中側には大蛇嵓。ガスが断続的に横切り見えたり見えなかったり。ガスが切れ目の時にはこちらの姿が見えたハイカーもいたようで、「登ってるわー!」なんて声も時々聞こえた。
▶6ピッチ目(5.9)うみっちリード
出だしのスタンスやムーブが少し考えさせられる。わかれば簡単。しかし最後まで程よく楽しませてくれるルートである。


9:00 トップアウト
小休憩、装備を片付けた後、踏み後を辿って一般道へ戻る。あっという間に戻れた。
その後、大蛇嵓へ移動。


蒸篭嵓の全景が見えるまで、余韻に浸りながら随分ゆっくり滞在したが、それでもまだ10:00。時間にも体力にも余裕があったので、日出ヶ岳までハイキング。ツアーの団体さん等を含め、終始多くのハイカーさんで賑わっていた。

12:30 駐車場到着 お疲れ山でした。
●下山後
駐車場でコーヒー(モンベル会員はなんと\100!)と、タケシマはカレーもいただく。
その後しばらく下界へ車を走らせ、ぽっぽ内で密かに人気の焼肉店「馬酔木」へ。確かにめちゃくちゃ美味しかった!


●所感(タケシマ)
ずっと気になっていたブッシュマン、核心ピッチを含めリードしたピッチを全てオンサイト成功することができ、充実感あふれる山行となりました。序盤のピッチは濡れていて出だしからスリリングなクライミングを強いられましたが、これもまたいい練習になったと思います。
核心ピッチはオンサイト成功したとは言え、確実性という意味ではもう少しスムーズに突破したかったところ。5.10台はもっと余裕をもってスピーディに登攀できるよう、まだまだフリークライミングの技術を高めていく必要があります。
何はともあれ、今回の山行を提案・アテンドしてくれたうみっち、ありがとうございました。次回の練習も楽しみです。
●所感(うみっち)
私にとってブッシュマン1は今回で3回目になりますが、岩が濡れていたことは初めてで、かなり緊張したクライミングになりました。
10時くらいまでは岩場に陽が差してこないので快適に登れるはずが、陽が当たらない・岩が濡れていることで手がかじかみ厳しかったです。
取り付きまでのアプローチも毎回思うことですが、ガレていて落石をさせて先行者に落としてしまいそうでこちらも緊張しました。無雪期アルパインの始まりに良い経験となりました。