ラオス ターケーク クライミング

報告者:ヒッキー

 コロナで大変な時を過ごしたが、ついに3年ぶりにラオスに行けることになった。私とA山にとっては2020年1月以来、2回目のラオスになる。
ベテラン、S山、H川は、海外のいろいろな国々で登山やクライミング遠征をしておりラオスも数回目となる。
 タイのクラビの石灰岩フリークライミングは有名だが、ラオスはその気候、安定した天候、クライミングエリアの広さ、ルートの素晴らしさ、岩質、レベルの幅広さ、治安のよさ、食事のおいしさ、コスパ、どれをとってもクライミング天国である。やり遂げられなかった宿題が増える一方で、まだまだ触っていないルート、いまなお新しいエリアの開拓がすすんでいる。ラオス詣ではやめられそうにない。

クライミングエリアは、メコン川をはさんでタイと対峙する街、カムアン県ターケークの郊外にあり、ターケークから12kmをトゥクトゥクか車で約30~40分のアプローチとなる。
 クライミングエリアは2010年からドイツ人によって開拓が始まり、2011年に食堂・バンガロー・テントサイトの施設を持ったGCH(Green Climbers Home)が設立された。岩質は石灰岩でルート数は400ルート近くに及ぶ。

■ メンバー
S山、A山、H川、ヒッキー、そのほかクライミング仲間2名の6名で同宿
クライミングエリアへの行き来や食事はさらにクライミング仲間が加わり賑やかな一行になった。

■ 日程 2023年1月18日~27日
1月18日 関空集合(7:45) → 関空発エアアジア航空(9:55) → バンコク スワンナブーム空港着(14:20) → シャトルバスでドンムアン空港着(17:15) →ドンムアン発エアアジア航空(18:05) → タイ ナコンパノム空港着(19:30) → タクシーで国境を越え移動 → ラオス ターケークの宿泊施設B&B着(21:00)
1月19日~25日 ターケークでフリークライミング
1月26日 B&B (7:30) → タクシーで国境を越え、タイ ナコンパノム空港着(9:00) → ナコンパノム発エアアジア航空(10:25) → バンコク ドンムアン空港着(11:35) → シャトルバスで移動→スワンナブーム空港着(14:00) →バンコク市内観光へ
1月27日 バンコク スワンナブーム発エアアジア航空(1:15) → 関空着(8:40)

■ 岩場
花崗岩のクライミングエリアで発達したコルネが特徴。大きな谷の両側に発達した渓谷は、午前と午後に分かれて日が当たり、移動すれば一日中快適に登ることができる。
 初日は登りやすい「エレファント」エリアからスタート。その名前通り、発達したコルネの中に象が何頭も閉じ込められているかのよう。基本的にガバが多くすべりにくいから思い切って動ける。グレードが低くても登りごたえがあったり、面白いルートだったりで飽きない。

Elephant エリア
Elephant
SpielHoelle
Schwitzerland 7a
Schwitzerland 7a


 圧巻なのはルーフエリア。どっかぶりは残置スリング・カラビナやクイックドローがかかり、回収の心配がいらないのでどこからでも降りることができ、思い切ってトライすることができる。

Saugeburt 6b+
Cheeky Fucker 7a
Things that make you better 6c
Beginner's Roof 6a(どこが?)
Things that make you better 6c
Saugeburt 6b+

日本ではあまり見られない30m超の長いルートも多く、70m、80mロープがあればもっと登れるルートが増える。
マルチのルートもある。支点はしっかりしているようだが、大小様々なデコボコ石灰岩岩に引っかかるので懸垂のあとロープを抜くのが難しい。朝早くまたは夕方には、いつもマルチルートにも人影があった。
 クライマーは世界各国から訪れ、若い人が目立つ。誰もが気さくに声を掛け合う。名物ルートに取り組んでいるとエリアのあちこちからガンバ(万国共通に?)の声が飛ぶ。どうやら一人でふらりと来て、パートナーを見つけて登る人、観光旅行の途中で連れ立ってクライミングするひともいるようだ。
GCHでは、ロープやハーネスも貸し出ししている。若い人は上裸も似合う。女性はタンクトップにショートパンツだ。傷だらけにならないのもうまい証拠。汗も擦り傷も大丈夫なのだろうか?
長袖長パン、ヘルメットの出で立ちは日本人だけみたいだが、長生きしたいので、ヘルメットだけは外せない。
夜もレスト日も宿泊したターケークのBike & Bedでクライミング談義だ。(中には、中高年バックパッカーもいる。フランス人のピエールは、なにやら気功のようなものを披露してくれたので、S山も負けじと肩まわし健康法を披露する。両者にらみ合うと映し鏡。兄弟のようだ。)

GCH のレストラン
Layback Barで飲んだくれ
ここの開拓者 Uli と Tanja のおふたり

■宿泊
クライミングエリアのGCH(Green Climbers Home)で泊まることもできる(バンガロー、テントOK)が、ターケークの町にでると、ホテルやB&Bが乱立している。私たちは、前回も利用させてもらった、Bike & Bedの6人部屋を貸しきりで借りる。いろんな店で食事ができるし、メコン川の流れを朝夕楽しめるのもいい。残念ながら、前回のように朝食付きではなくなったが(コロナのせいか?)、お湯のシャワー、洗濯機、湯沸かし、簡易キッチンと世界各地のクライマーと歓談しつつ囲めるテーブルあり。くつろげるハンモックやツリーハウスあり。

■岩場へのアクセス
宿泊先からクライミングエリアへは、レンタルバイク事務所で車を予約する。人数と送迎時間、価格を確認。かたこと英語は通じる。トゥクトゥクになったり、車になったりするが、もちろん車の方が快適で早い。GCHでの手配も可能。

■両替
日本の空港ではラオスキープに両替ができないので、当面のお金をタイバーツで持ってタイ&ラオスに入国することになる。ナコンパノム空港では両替商は見当たらないので、バンコク スワンナブームまたは関空でタイバーツを5,000円~10,000円両替。ラオスキープは、ラオスに到着後ATMで都度クレジットカードのキャッシングで入手(たまに使えないATMもあり)するのが便利。市場に行く途中で(円→キープ)の両替ができる両替商を見つけたが、ATMキャッシングのレートと大差はなかった。ターケークではタイバーツも普通に使用することができるが、やはりキープでの支払いに統一するのが便利だ。

■朝食
1)フォー・・・160円~200円くらい。熱いフォーと、ぬるめのフォーを出している店がある。いずれも、たっぷりのハーブ、焼いた唐辛子がつく。
2)西洋式・・・ホテルやB&Bで。卵、フランスパン、コーヒーで400円くらい。おしゃれなところではパンケーキやクレープもあり。

■昼食
1)屋台のサンドイッチ・・・ベトナム風のフランスパンサンドイッチ。レバーパテとパクチーがたまらなくおいしい。80円。
2)GCH・・・バラエティに富む料理が食べられる。値段は高めで350円前後。

■夕食
1)屋台広場・・・ラオビール(Beerlao大瓶160円)も食べ物もとても安い!
2)飲茶・・・店先で蒸し上げたものが並んでいるので見て注文できる
3)「6フレンズ」・・・仲のよい女の子たちの店で、外国人合わせた優しい味付け
4)メコン川沿いの店・・・ムードのあるところから賑やかなところ、家庭的なところまで様々
5)タイ鍋の店・・・材料を好きに選んで焼く、煮る、自由にできるお鍋。英語は通じない。コロナの影響か3年前にはいなかった物乞いがいるのが残念だった。特に子供の物乞いは辛い。

■おやつ
果物市場や地元のお店で買える果物は美味しい。岩場に行く途中、スイカが大量に売られている。

■レストの日には?
体調が悪いときはレスとするしかない。おなかの調子が悪い、熱、怪我、疲労で、各自1日~3日お休みをとった。散歩、読書、お高めのレストラン、市場巡り(少し遠い)など。元気で計画的なレストならば、遠出して観光、サイクリング、洞窟探検も可能だが、ヒッキーは今回はおとなしく静養。やはりお腹を壊すメンバーが多く、6人中4名が腹痛でレストを余儀なくされた。

■おみやげ
よくわからないスパイス、調味料、インスタントラーメンなどなど。何ができるかは帰ってからのお楽しみ。

■コミュニケーション
英語が通じるところは限られる。タイ語ができるメンバーもいて心強かった。ラオス語はタイでは通じないが、タイ語はラオスでは通じる。基本的に値段をふっかけたりぼったりする人は少ないと思う。が、観光客向けの店は明らかに高い。値切りも可能だが経験的にはトゥクトゥク以外は言い値でいいかと思う。この辺りの人は基本ボラないので値切ってもせいぜい8割までか。トゥクトゥクは自分なりの値ごろ感をもって交渉しましょう。B & Bでも岩場でも、コミュニケーションをとる機会は多いので、話せるのと気後れしないボディランゲージは大事。S山はいつの間にかお友達ができているし、A山はキレッキレのBon-dancingでラオスの人からビールを奢ってもらっていた。さすがだと思う。

■タイでの観光
最終日は空き時間でタイ バンコクの観光が実現した。ワットアルン(暁の寺)に夕日が沈み、ライトアップで塔がかび上がるのは実に幻想的で美しかった。久しぶりのリッチな食事、市場も見て回ることができ満足~。バスでも空港でも、お坊さんは優先座席に座れるのがびっくり!宗教感覚が違う~。